2025年5月2日
世界パスキーの日(2025年5月1日)にあたり(以前は世界パスワードの日と呼ばれていました)、FIDOアライアンスは世界中の主要な組織による実際のパスキー導入事例にスポットライトを当てています。さまざまな業界で企業がより迅速で簡単、そして安全なサインインを提供するために進めてきたパスキーの成功事例のハイライトをご覧ください。これはパスワードからのパスキーへの移行に向けたグローバルでのコミットメントを示すものです。
FIDOアライアンスは、パスキーの利用状況と認証に対するコンシューマーの意識がどのように変化したかを理解するため、コンシューマーを対象にした独自の調査も本日発表しました。この調査によると、過去1年間で35%以上の人がパスワードの脆弱性が原因で少なくとも1つのアカウントを侵害されたことがわかりました。さらに、47%のコンシューマーは特定のアカウントのパスワードを忘れてしまった場合、購入を断念するとの結果となっています。これはパスキーの採用にとって重要です。なぜなら、パスキーを知っている人の54%はパスワードよりも便利だと考えており、53%はより高いセキュリティが提供されるとの認識があるからです。レポート全文はこちらからご覧いただけます。
ABANCAは、スペインの銀行です。 ABANCAのモバイルアプリは月間120万人以上の顧客にサービスを提供しており、同銀行の最大の支店として機能しています。現在、モバイル顧客の42%以上が同銀行のプロダクト、ABANCA Keyを通じてパスキーを使用しています。その結果、1100万件以上の高リスク取引が技術的またはサービス上のインシデントなしに保護され、UXを優先した結果、顧客努力スコア(CES)4.7を達成しました。
Aflac は、米国で最初にパスキーを採用した主要な保険会社です。米アフラックはTransmit Securityと提携してパスキー認証イニシアチブを開始しました。現在、プロジェクトの第一段階が完了したところで、すでに50万人以上の米アフラック顧客がパスキーを登録しており、その結果、パスワード忘れに伴う再設定要求が32%減少しました。これにより、コールセンターへの本人確認に関する問い合わせが月3万件減少しました。米アフラックでは、登録時に最も高いパスキーの設定成功率を確認できており、FIDOアライアンスのデザインガイドラインの推奨事項であるアカウント関連タスク中に顧客にプロンプトを出すことを裏付けていると報告しています。米アフラックの顧客によるパスキーの着実かつ自然な採用は日々増加し続けており、コスト削減と顧客体験の測定可能な改善に直接貢献しています。
KDDI は現在、FIDOを利用する1360万人以上のau ID顧客を抱えており、その結果、カスタマーサポートセンターへの問い合わせが大幅に減少(約35%減)しました。KDDIは、加入者と非加入者の両方に対してFIDO認証の提供をていねいに進めています。
LINEヤフー が提供するYahoo! JAPAN IDは、現在2800万人のアクティブなパスキーユーザーを抱えています。現在、スマートフォンでのユーザー認証の約50%がパスキーを使用しています。LINEヤフーは、パスキーの方が認証の成功率が高く、SMS OTPよりも2.6倍高速であると述べています。
メルカリ では、900万人のユーザーがパスキーに登録しており、同期パスキーで登録したユーザーにはパスキーログインを必須としています。注目すべきことに、2023年3月以降、メルカリショップとメルコイン(メルカリの子会社)ではフィッシング詐欺による被害が1件も発生していません。
Microsoft は2024 年に Microsoft コンシューマー アカウントのパスキーの展開を開始しました。現在、毎日約100万個のパスキーが登録されています。Microsoftは、パスキーでサインインするユーザーはパスワードを利用して自身のアカウントにサインインするユーザーよりも3倍成功率が高く(パスワードの32%に対して98%)、パスキーサインインは従来のパスワード+MFAフローよりも8倍速く、パスワードレス優先のUXによりパスワードの使用が20%以上減少したことを観測しました。
日本経済新聞社 は2月にパスキーを展開し、すでに数千人の顧客がパスキーを使用しているのを確認しています。さらに、サポートデスクにはパスキーの使用方法に関する問い合わせがほとんどありません。
NTTドコモ ではパスキーの登録数を増やしており、現在dアカウントユーザーによる認証の50%以上でパスキーが使用されています。NTTドコモは、フィッシング詐欺による被害が大幅に減少したと報告しており、2022年9月以降、ドコモオンラインショップでの不正決済は発生していません。また、NTTドコモは、パスキー対応サービスを増やすなどUXを継続的に改善しています。
Samsung Electronics のGalaxyスマートフォンは、生体認証とFIDOプロトコルを通じて迅速かつ便利なログインをサポートしています。使いやすさ、速度、サービス間の互換性、および業界標準としての地位により、パスキーはSamsung Electronicsにとって魅力的な選択肢となりました。
VicRoads は、オーストラリアのビクトリア州の車両登録および運転免許発行機関です。年間600万台以上の車両を登録し、500万人以上の運転免許を交付しています。パスキーベンダーのCorbadoとの展開を開始して最初の数週間で、パスキーの採用はVicRoadsの予想を大幅に上回りました。ユーザーはフィッシングに強い認証方法を受け入れ、スピードとセキュリティに最適化された円滑なログイン体験の恩恵を受けました。非常に高いパスキーアクティベーション率(モバイルデバイスで最大80%、すべてのプラットフォームで50%以上)により、最初の7週間で30%のパスキーログイン率につながりました。利用率は着実に上昇し続けており、認証関連のサポートチケットの減少、SMS OTPコストの削減、ユーザーエクスペリエンスとセキュリティの向上など、測定可能な運用上の利点につながっています。
Zoho Corporation は、1億人以上のzoho.com顧客にパスキーを展開し、その結果、パスキーの導入が前月比30%増加し、パスワードリセットの問い合わせが10%減少しました。次のステップとして、同社は5月に Zoho Vault の顧客への展開を開始する予定です。
ABANCA、Microsoft、日本経済新新聞社、Samsung Electronics、VicRoadsおよびZoho Corporationのケーススタディの全文をご覧いただき、これらの企業がどのようにパスキー導入のメリットを観測しているかをご覧ください。文書化された他のケーススタディを通じてパスキーの導入についてさらに知見を深めるには、FIDOアライアンスのリソースライブラリをご覧ください。共有したいケーススタディをお持ちの場合は是非ご連絡ください! お 問い合わせ!