FIDOアライアンスが実施したグローバル調査により、パスキーの認知は世界的にほぼ浸透し、消費者・企業の双方で高い導入率が確認された

カリフォルニア州マウンテンビュー — 2026年5月7日、 FIDOアライアンス は「World Passkey Day 2026(世界パスキーの日 2026)」にあたり、 State of Passkeys 2026(パスキーの現状) の最新調査結果を発表しました。本レポートでは、消費者および企業の双方において、パスキーの導入と利用が世界的に大きく進展していることが明らかになりました。これらの結果は、現在世界で50億のパスキーが利用されているとのFIDOアライアンスの推計を踏まえたものです。

10か国にわたる消費者11,000人および企業の意思決定者1,400人を対象とした調査に基づき、本レポートはパスキーの世界的な普及の進展を示しています。

  • 90%がパスキーを認知(前年比で大幅増)
  • 75%が少なくとも1つのアカウントでパスキーを設定
  • 49%がパスキーを日常的に利用
  • 68%の企業が従業員のサインインにパスキーを導入済み、または導入中
  • 82%の企業が「完全なパスワードレス認証」を最終目標とし、28%はすでに達成

こうした成長は、「シンプルで安全、かつ信頼できるログイン体験」への明確なニーズの高まりを反映しています。また、オープン標準の策定やベストプラクティスの公開、実運用での展開を通じたFIDOエコシステム全体の連携した取り組みが、この動きを後押ししています。さらに、200以上の組織がFIDOアライアンスの Passkey Pledge(パスキー宣言)に参加しており、業界全体で導入を加速させる姿勢が示されています。

FIDOアライアンスのエグゼクティブディレクター兼CEOであるアンドリュー・シキアは「パスキーが主流になりつつあるのは、業界が長年実現できなかった“より安全でありながら使いやすい認証”を実現しているからです。FIDOのオープン標準を中心にしたエコシステムの取り組みは、いまや消費者サービスや企業を含む世界規模での実導入へと進化しました。パスワードが引き続きフィッシングや不正、ユーザーの不満の原因となる中、組織はセキュリティ強化とユーザー体験向上のため、パスキーへの移行を加速させています」と述べています。

また、「State of Passkeys 2026」レポートでは、パスワードが依然としてもたらしている被害の大きさと、一部企業が抱え続けているリスクの実態も浮き彫りになりました。

パスワードによる被害は依然として深刻

パスキーの普及が進む一方で、パスワードは依然として広く使われており、重大なリスクと利便性の低下の原因となっています。

過去1年間で、3人に1人(33%)がアカウントの不正侵害を経験するか、情報漏えいの通知を受け取っています。このような被害が継続して発生している背景には、より安全な代替手段が存在するにもかかわらず、多くのサービスが依然としてパスワードに依存している実態があります。

また、ビジネス面での影響も無視できません。消費者の47%が、パスワードを思い出せない場合、購入やログインを途中で断念する可能性があると回答しており、そのうち17%は「非常に高い確率で断念する」としています。

企業における導入は進展、さらなる利用拡大の余地も

パスキーを導入している企業では、定量的な効果が報告されています。具体的には、セキュリティに対する信頼の向上(47%)、従業員のログイン時間の短縮(45%)、IT部門に対する従業員満足度の向上(43%)、パスワードリセット対応の減少(35%)、およびフィッシング関連インシデントの減少(32%)などが挙げられます。

同時に、従業員におけるパスキー利用には、依然として拡大の余地があります。現在も過半数(57%)の組織が、従業員の日常的なサインインにおいてフィッシング耐性のない認証手段に依存しています。フィッシングが依然として主要な攻撃手法である状況において、この依存は無視できないリスク要因となっています。

また、まだ完全なパスワードレス環境に移行していない企業においては、16%が「パスワードと多要素認証(MFA)の組み合わせで現時点では十分」と回答している一方、24%は「技術や標準のさらなる成熟を待っている」としています。これらの結果は、フィッシング耐性を備えた認証方式の重要性と実用性に関する、さらなる理解促進の必要性を示しています。

詳細な調査結果については、 State of Passkeys 2026 レポート全文をご参照ください。

注記

State of Passkeys 2026 (パスキーの現状)

本レポートは、FIDOアライアンスの委託により、Sapio Researchが2026年4月に同時並行で実施した2つの調査に基づいています。
消費者調査では、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、日本、韓国、中国、インドの10か国において、計11,000人の消費者を対象に調査を実施しました。誤差範囲は95%信頼水準で±0.9ポイントです。
従業員調査では、同じく10か国において1,400人の意思決定者を対象に調査を実施しました。対象者は、従業員数500人以上の組織において、従業員のサインイン、認証、またはパスキー導入に関する意思決定に直接関与していることを条件に選定されています。誤差範囲は95%信頼水準で±2.6ポイントです。
両調査は、Sapio Researchにより、電子メールによる招待とオンライン調査の形式で実施されました。

なお、50億というパスキーの推計値は、公開されているデータとFIDOアライアンスが保有する内部のパスキー導入データを組み合わせて算出しています。

FIDOアライアンスについて

FIDOアライアンス (www.fidoalliance.org) は、人・サービス・デバイス間のやり取りにおいて「信頼性」と「シンプルさ」を実現する認証技術の普及を推進しています。
オープンな技術仕様の策定、安全かつ相互運用可能な製品の認証、そしてグローバルな普及活動を通じて、業界全体の発展に貢献しています。


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